インドにおけるヒンディー語の立ち位置

 
インド人にとって、ヒンディー語ってどんな位置付けなんだろう?
と、前々からうっすら疑問であった。
 
「英語を話せる=高い教育を受けた人」
というイメージがあり、ヒンディー語は英語より下に見られがちなのかな?と思っていた。
昨日ヒンディー語を話せる日本人の友だちと話をしていて、あっ!そうなのか!!
と納得したので覚え書き。
そもそも、インドには数えられないほどのたくさんの言語があるが、北インドで標準語みたいに
使われているのは、ヒンディー語だ。
私たち駐在組は、英語でなんとかコミュニケーションを取る。もうそれしかないからだ。
「ヒンディー語しか通じない人」とは、私たちは基本話せない。
が、日本人の中にはヒンディー語が話せる人もいる。そんな人は、「インド最上級者」的な風格が漂うものである。
で。その友だちいわく、「日本語を話せる日本在住のインド人の友だちと、日本語で話しているときに言うことと、ヒンディー語で言うことと内容が全く違う」のだと。
彼は日本語で「どうして日本に来たの?」と聞かれたら 
「日本の文化が大好きで、もっと知りたいと思って来ました」
と日本語で答える。
英語で同じ質問をすると、英語の回答が「日本の文化には実は興味はなくて、日本企業に何年か勤めてハクをつけて、次は違う国に行こうかと思う」
となり、
ヒンディー語で質問すると「まあ、ぶっちゃけ日本の女の子と付き合えたらいいかな?みたいな!」
と返ってきたという。
それぞれ別の人が聞いて、後で違うことを言ったことが判明したそう。
たいへん興味深い。
友だちは、ヒンディー語を話せるようになって初めて、インド人と仲間としてコミュニケーションを取れるようになった、という。
英語を話しているうちは「お客さん」だ、と言われたそう。やっと「こっち側」に来たな!と。
 
日本語、英語はタテマエ、ヒンディーはホンネを話せるツール。
インド人にとって、ヒンディー語こそが血の通った言葉なんだろうな。
 
例えば日本人にとっての方言みたいな?
そう言えば、ちょうどそんなことを長女ラスカルが言ってたな。
 
そして、私たちみたいな外国人がヒンディー語を話そうとすると、すごく喜ばれるそうだ。
上からではなく、同じ地平に歩み寄ろうとしている。と受け取られるみたいだ。
そんな話を聞いていると、私は2年近くここで暮らしているけど、すごーく上澄みの部分しか知らないんだな、と心底思った。
 
改めてヒンディー語、少しでも覚えてみよう。
 
 

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